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概要

抜粋版 vol.07 小嶋や

小嶋やしかも市街地から離れた裏通りへの出店であれば、最初は少しずつ売り始めて、様子を見ながら販売数や商品アイテムを広げていきそうなものだが、最初から経費をかけて一気に知名度を上げる戦略をとったのだ。 「そこは長年かけて身につけた経営感覚ですね。3年間かけて使う経費があるとすると、それを最初の1年間で使えば結果はその分早く出ます。1年目から顧客を獲得しておけば、その後もずっと買っていただける。すると資金が良く回りますから、後が楽になるんですよ」と話す安博代表。さすが33年間も会社を経営してきた方の言葉には説得力がある。好スタートの中でもさらに商品をPR 周到に準備を重ねて開店の日を迎えたが、反響は予想を上回るものだった。人通りのなかった裏通りに賑わいが生まれ、1日200 ?300 個限定のどら焼きは開店以来ずっと完売が続く人気ぶり。当初の狙いであった伊万里産のお茶や麦、米なども右肩上がりで注文が増え続けている。 お店が順調に船出したことで、生産農家や関係者に還元できたことは嬉しかったが、さらに思わぬ効果も生まれた。それは唯一の社員として雇った18歳の青年K 君のこと。K 君は安博代表の友人の子で、自分に合う仕事が見つからず家にいたが、安博代表の誘いで働き始め、主にどら焼きの生地作りを担当することになった。すると繊細で真面目な性格が幸いしてたちまち腕を上げ、小嶋やにとって重要なスタッフに育っていったの6