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概要

抜粋版 vol.07 小嶋や

小嶋やの融資を受けて店舗に改装することにした。しかし米やお茶を販売する店は伊万里市内にも多い。その中で「わざわざ訪れていただくきっかけになる商品を」と考えていた時、安博代表の頭に浮かんだのが「どら焼き」であった。 「ずっと前にドリアン助川さんの小説『あん』を読んで感銘を受けたんです。ハンセン病をテーマにしたとてもいい本で、亡くなった樹木希林さんの主演で映画化もされました。その物語で鍵となっていたのがどら焼きだったんです。どら焼きは甘くて和風なので、お茶と併せて販売するのにぴったりだと思いました」 小説にレシピも載っていたので、まずそれを参考にしながら試作を開始。何よりこだわったのは材料だ。小麦粉や卵は地元の契約農家で採れたものを使い、砂糖は四国産の高級砂糖・和三盆、小豆は北海道の十勝産、ハチミツはアルゼンチン産と、納得のいくものを選び抜いた。 目指したのは昔ながらの優しい味わい。農薬を使わず育てたお茶と一緒に販売するため、保存用や着色料、甘味料など化学的なものは使わず、自然な風味を目指すことにした。 最初のうちは生地が煎餅のように固くなるなど失敗の連続だったが、繰り返すうちに少しずつコツをつかみ、企画から約1年をかけてようやく自信を持って販売できるものが完成した。開店準備は2人の経験を生かしながら 自慢の「どら焼き」を頂いてみると、なるほど思わず感嘆の声が出るほど美味しい。4